親父はスタッフロールには興味がないようだ。
「これ、もう見てもええやろ?」
俺がいつも手元に置いてる、アイテムリストやレシピの冊子の事だ。
俺はこれを見ながらヒントを出したりしていたのだが、
親父には絶対に見せないようにしてきた。
クリアしたことだし、まぁいいかと思って俺は見せてあげた。
親父はパラパラとめくっている。
「あいつとは何回でも戦えるんやろ?」
「ラプソーンやったら、何回でも戦えるで」
「よし、じゃあ、最強の武器を揃えてからまた倒しに行ったろかな!」
お、そういうやる気はあるんだ。
親父はレシピをざっと見て、はぐれメタルの剣を作りたいと言った。
「じゃあ、エンディングが終わってから作るか?」と俺。
「作る!」
やがてエンドロールは終わり、
三人がトロデーン城に戻ってくる。
「ジエンド。終わりやな」
セーブしてから、PS2を再起動。
「お前作れ」
コントローラー渡されちゃった。
作ろうと思ったはいいが、古びた剣持ってないよ親父。
俺はトロデーン城に取りに行くことにする。
その間ずっと親父は冊子とにらめっこしていたのだが、
「おい、わし、ここ行ってないぞ!」と騒ぎ出した。
「どこ?」
親父は、ショップリストの『竜神族の里』の欄を指している。
「あぁ、そうやね、行ってないね」
「そやろ! 行ってないで。でも、どこもそんなとこ無かったけどなぁ」
「行きたい?」
「そこには何があるんや? 売っとうもんは大したことないみたいやけど」
「さぁねぇ、何があるのかねぇ」 含み笑いたっぷりに言ってやった。
俺ははぐれメタルの剣の材料を釜に放り込んだ。
「よし、次に作るのはな、ちょっと待てよ」 冊子をめくる。
「まだ出来上がってへんから。歩かんと無理やって前言うたやろが」
「あぁ、そうか」
ちょうど良い機会だと思い、俺はパルミドへ。
「前にモンスターが仲間に出来るって言うたやろ?」
「そんなこと言うてたか?」 言ったよ。
俺は格闘場の前の街道で止まる。
「君は前に、パルミドに行くためにこの道を通ってたけど、
ホラ、あの建物に気付かずに通り過ぎて行ったんや。見覚えある?」
「まったくない」 やっぱそうか。
「入ってみる?」と俺。
「おう、行け!」
屋上に上り、モリーと話す。
メモを3枚渡される。
「あぁ、これはわしは無理やわ。いちいちどこにおるかとか、
地名言われてもパッと思い出せへんもん」
「そうか。じゃあまぁ、とりあえず3匹は俺が捕まえたるわ」
「おう、行け!」 親父は寝転がり、観戦モードだ。
プチノン、スラリン、ジョーを倒して、モリーの所に戻る。
格闘場の中へ案内され、地下へ降りる。
モリーに話しかけたところで俺はコントローラーを渡す。
会話シーンはめんどくさいのだ。
親父が読み終えたかどうかをいちいち気にしながらボタン押さなきゃならない。