止まり木に着いたのは夜明け頃。
「ここで待つ!」
「村人の話は分かってるか?」と俺。
「分かっとるで。ここで待ってたら影が見えて、
ちゃう世界に行けるんやろ?」
うん、あってる。何も言うまい。
親父は止まり木から少し離れた位置につく。
「ここなら、影がよう見えるはずや」
そう言って俺にコントローラーを渡してくる。
「動かさんように持っててや! わしは煙草吸うから。
影が見えたら、すぐに飛び込むんやで!」
親父はひたすら待った。俺も待った。
レティスは現れない。やがて、日が暮れた……。
「あかんのとちゃう?」と俺。
親父は猫に話しかける。
「鳥けーへんで、シゲちゃん」 飼い猫はシゲという。
「夜はあかんと思うで。影が見えへんもん」
「そうやな。早朝がええんかなぁ」
俺は親父にコントローラーを渡す。
レティシアに戻り、一晩眠る。
親父はまっすぐ止まり木に走って行く。
近付いた時、影が動いているのが見える。親父も気付いた。
「あれや!」
親父は影に飛び込むが、何も起こらない。
影は止まり木を離れていく。
「どこ行くんや!」
親父は追いかけて行く。よっしゃ、正解だ!
途中でも敵は出る。
「鳥は倒す間待っててくれるんやろか?」
さぁ、と答える。親父は敵を倒す選択をした。
戦闘後も、影はすぐそこにある。
「おった、待て!」
順調に追いかけて行くが、毒沼手前の峠のあたりで見失う。
「どこ行った!?」
「分からんな。もうおらへんのちゃうか?」
親父はぐるりと見渡す。
「あそこや!」
影はちょうど毒沼を渡るところだった。
「もう追いつかれへんのちゃう?」と俺。
「大丈夫や、まだ行ける!」
毒沼をダメージ無視で突っ切っていく。
影はまだ居た。とうとう異世界への破れ目を見つけた。
余談だが、俺は一度見失ったらリトライだと思っていたので驚いた。
ある程度離されてても大丈夫だったんだな。
白黒の世界へ到着。
「勢いで来たのはええものの……セーブはいつ出来るんやろうか」
そろそろ0時を回る頃だった。
来る前の世界と地形が変わらないのを見て、
「村は同じ場所にあるんかなぁ」と。
しばらく進み、地図を開く。村はあるようだ。
「今日は村行ったら終わりにするぞ、そこまで我慢や」
闇のレティシアに到着。
村人に驚かれるが、長老が『いつも通りにしてろ』と言う。
「眠くなってきた……」
長老の家に直行、話はきかずに神父の所でセーブ。
そういうことで、本日は終了。
鳥は間近だ、親父。
ここまでの戦績。
ア Lv.35 剣.95 槍.5 勇.50
ヤ Lv.34 斧.93 人.68
ク Lv.34 剣.24 杖.93
ゼ Lv.33 杖.91 色.55
時間 63:04
走破 196.7キロ
戦闘回数 819回
倒した匹数 2761匹
逃走 25回
全滅 4回
トロデ「お前の強さは才能かもしれん」