気ままな旅・後編(メタル狩り)


地図の端っこの方まで行くと、敵が出るようになった。
ヘルダイバーやマリンギャング、あやしいカゲだ。
初遭遇時が嘘のように、易々と倒せている。
「強なったなぁ、わし」

地図に載ってない島に上陸。
「はぐれメタルは経験値ナンボやったっけ」
「一万やな。メタルスライムが千くらいか」
「それはごっつでかいでぇ。レベルがぼんぼん上がるぞ」
はぐれメタルと何度か遭遇するが、逃げられまくる。
運良く攻撃して来てくれた時も、大まじん斬りがミスばかり。
「ヤンガスあかんなぁ」
「そういう時もあるわ。当たる時はアホみたいに当たるし」
だいたい10回くらい逃げられたあと、やっとヤンガスの一撃が炸裂。
「おぉぉ! やったー! 一万や!」

その後も親父はメタル狩りに精を出す。
しばらくやめる気はないようだったので、俺は席を外す。
2、30分してから戻ってみると、あれから3匹倒したと言う。
「武器も防具も完璧で、レベルまで上がってもたら、
もうわしに敵はおらへんようになるで!」
 非常にご満悦だ。
訊いてないのに、親父は自分なりの
メタル狩りルールを話しだす。
まず、
メタル以外のザコ戦はゼシカのムチで一掃』
呪文より早く戦闘が終わるのが良いらしい。ムチが役に立っているようだ。
次に、『くちぶえは吹かない』
くちぶえで呼び寄せたはぐれメタルは、
ムリヤリ呼び出されたので戦闘意欲が低く、すぐに逃げるそうだ。
あくまでも歩き回って遭遇するのが良いらしい。気のせいだよ親父。
最後に、『砂浜が良い』
これには細かいルールがあって、
波打ち際でくるくると2回廻って、砂浜にもどってグルグルするらしい。
絶対関係ないと思うが、親父がそれでいいのなら、まぁいいか。

俺はまたしばらく席を外した。
戻ってみると、親父は寝転がって、
半分寝ながらミミックと戦っていた。
ゼシカが死んでいる。先手でザキでもやられたんだろうか。
「やめるんか? 戻るか?」
「ザオラル、ククールを…… ダメだこりゃ。
「やめるぞ、戻るからな。はい起きて起きて、ここで寝ない!」
俺はコントローラーをもぎ取り、ルーラで川沿いの教会へ。

そんなわけで本日は終了。
データを見ると、全部で6匹倒していた。

ここまでの戦績。
ア Lv.34 剣.93 槍.5 勇.44
ヤ Lv.32 斧.89 人.56
ク Lv.32 剣.16 杖.88
ゼ Lv.31 杖.87 色.46

時間 60:24
走破 187.2キロ
戦闘回数 767回
倒した匹数 2597匹
逃走 22回
全滅 4回
トロデ「ククールに防具を買うんじゃ。そうすればバランスがよくなるぞ」


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